スウェーデンめぐり

出会い、そして、いざスウェーデンへ

その方は、田中さんといい、父の友人であり、実は私も小さいころから会っていた。しかし、父親の紹介で田中さんと2人で話す機会をもらったのは初めて。そこで、様々な話をした。

田中さんは病院の経営者として、病院を経営する一方で「菜の花館」という高齢者の痴呆症者対象の施設を運営している。そこのスタッフを定期的に「スウェーデン」に研修に連れて行っていて、田中さん自身も年に2回行っているとのこと。

スウェーデンなんて当時の自分にはまったくの未知の世界。どんな国かの想像もつかなかった。

田中さんの話によると、福祉と教育がすばらしい超社会主義国であるということ。もしよければ9月に行くので一緒にどうかと言われた。

その場で、「是非お願いします。」と即答した。

前述した行動をする意識と、大学3年の時のイタリア旅行の影響が強いと思う。
(イタリア旅行の話はまた今度)

そして、9月スウェーデンへと旅立った。

そこには、子供みんなが楽しめる授業、学校があった。しかも、スペシャリストが育つ教育システムがあった

毎日がカルチャーショックの連続だった。

コペンハーゲン経由でストックホルムへ入り、一日目はストックホルム市内のホテルに宿泊。二日目の午前中は市内の幼稚園を見学した。午後からヴェステルヴィークへ。ウルフさん一家のもとでホームステイした。ホストファミリーのお父さんは英語の先生。お母さんは薬剤師。娘のアストリートは韓国からの養子で小学校3年生だった。そこでの暖かい人間らしい生活もとても衝撃的だった。本当に人間らしい暮らし。3日目は小学校を見学した。

午後は中学校へ、お父さんのウルフの英語の授業を見学した。4日目は高校と別の小学校を、さらに大学も見学させてもらった。案内してくれたのは、ウルフの妹で前に先生をやっていて、今は学生の進路相談の仕事をしていた。

幼稚園から大学までみて、感じたことを簡潔に書くと二つ。

ひとつめは、生徒がとにかく楽しそうでいきいきしている!日本の小学生に「学校は楽しい?」と聞くと。「うーん?あんまり・・・」がほとんど。しかしスウェーデンの子供に同じ質問をすると、「楽しいよ!日本の子が楽しくないって言うのが不思議!」と言っていた。

二つ目は教育システムがすばらしい。高校から細かいコースが設けられていて、生徒は将来を考えコースを選択する。社会に出て役立つ技術を学べるのだ。生徒の意識も具体性があるので高く、学ぶ意欲も違う。また、英語ひとつをとっても、高校卒業になれば誰もがぺらぺらにしゃべれる。日本と同じ時間勉強しているのに何がこんなに違うのだろうと思った。

そんな経験から、スウェーデンの生活や教育が今の日本には必要ではないか?今の日本には必ず必要になることがスウェーデンにあると思い、留学してスウェーデンの生活(子供との)や教育を学びたいと思った。

そして、日本に帰りもう一度日本の教育について真剣に考えてみたのだ。